昨今の日本において、うつ病やノイローゼ、自殺やいじめは社会問題と呼べる大きな課題です。
このストレス社会を前向きな姿勢、ポジティブ思考で生きるためには、ストレスに対する耐性を高めていく必要があります。
ポジティブ思考や自信に満ちた人間性は、成長させていくものであり持って生まれたものではありません。
最上雄基が教えるこのRefresherぷらす他、各種講座などで行う内容は、全て現代を生き抜く精神的強さの強化を目的としています。
ユダヤ系アメリカ人の社会学者、アーロン・アントノフスキーは、著書「健康の謎を解く―ストレス対処と健康保持のメカニズム」において、センス・オブ・コヒアランス (英 sense of coherence 首尾一貫感覚) というストレッシャーに対してポジティブな解釈をし、対処、適応していくパーソナリティ特性について理論を説いています。
彼はユダヤ人強制収容所から生還した女性たちを調査した結果、強いストレスに晒されながらも挫折することなく生き続けられる人には特徴があることを発見しました。それが「センス・オブ・コヒアランス」、略してSOCです。
そのパーソナリティ特性であるSOCは以下の三つの特徴から成り立ちます。
センス・オブ・コヒアランスを支える要因
- Sense of Comprehensibility 状況把握感
現状を理解し、今後の展開を予測し、また状況について説明できることから、「自分は今を把握できている」と感じる力です。 - Sense of Manageability 処理可能感
現状に対して「なんとかできる」と感じる力です。そう感じる根拠は、問題に対処していくために必要な資源を引き出す自信です。資源とは、協力してくれる人間、金、物、能力など、現実に解決するために使う様々な材料のことです。「汎抵抗資源」と呼びます。 - Meaningfulness 有意味感
自分が直面する困難には、意味があると感じる力。苦難に直面してもそこに何らかのポジティブな意味を見出します。
これらの要素を備えたSOCが、ポジティブに生きられる人の特徴であるとアーロン・アントノフスキーは説きます。
フロイト派精神分析学においては親子の関係に心理的虐待があれば、理論上神経症者となっていくのが通説でした。
しかしアメリカにおいて、ベトナム戦争から戻った兵士の中に「レジリエンスパーソナリティ」と呼ばれる精神分析学上では存在するはずの無かった、新しいパーソナリティが発見されます。
彼らは本来ならば神経症者になっているはずの環境下で育っていました。しかしなぜか、平均を遥かに上回る精神的快復力を持っていました。この新たな人格については、マインドフルネスに近づく方法の発見を期待され現在もアメリカを中心に世界中で研究されていますが、その原因については未だ解明されていません。
レジリエンスパーソナリティの研究を含め、センス・オブ・コヒアランスの理論も日本では未だ広く理解が知れ渡ってはいません。
存在自体は知られているものの、理解が難解なことに加え、特にレジリエンスにおいては「逆境力」という間違った広まり方をしています。
様々なポジティブ思考の養い方が流行る一方、なかなか社会全体に効果的な方法が見つかっていないのが現状です。
しかし、ストレス耐性を向上させていくことは、自殺が若年層にまで及んでいる現代日本において、教育の最優先事項と言えるでしょう。
未来を担う子供たちの健全な精神を育成することは、将来の日本のために最も大切なことです。
そのためには、大人たちも健全な精神を持って子供たちの教育に当たらねばなりません。向上のための自己教育は、生きる限り必要なのです。
心の安定は行動の安定につながりますので、それぞれが健全な精神を保つよう、努力していく必要があります。
ストレスに強い人は何が違うのか?
実際にストレスに強い耐性を持つパーソナリティには、以下の特徴があると言われています。
ストレスに強い人格の特徴
- hardiness 頑健性
ストレッシャーに対する耐性力。ストレッシャーに対してポジティブな解釈をし、困難に直面したときにストレスを感じにくい特性。 - resilience 精神的快復力
心理的に困難な状況から回復していく力。
レジリエンスパーソナリティは、自力では回復困難な状況からでも「発想を転換することにより」(頑健性の高さ)深刻なノイローゼからも自力で回復すると言われます。 - sense of coherence 首尾一貫感覚
先に説明した三つの要素から成る感覚。
Refresherぷらす 最上雄基が目的とするもの
ストレスに強い人格は、決して先天的なものだけではありません。
後から鍛えていくことが可能なのです。
私は自身がレジリエンスパーソナリティであることを踏まえ、これまで神経症者の思考、発想、行動を観察し、自身を対象に比較・検証を続けて参りました。
結論として、従来の研究通り「強いナルシシズムがストレスに強い人格になる要因を育てる妨げとなっている」と確認はできましたが、様々なアプローチにより発達の再スタートは可能だと断言します。
更に、現代日本においては特に必要とされることがあると考えています。
それらを考慮し、現在当サイトを含め、講座、また個人教室において次のようなメンタル強化教育の取り組みを行っております。
歴史と現状、自身のアイデンティティーへの理解
現代の日本人の多くが、人から教わったこと・メディアなどの情報を鵜呑みにし過ぎているため、現実とはかなり離れた状況把握をしています。
これについて、私自身が旧家の人間である背景を利用し、学校では教わることのない方法で、個々のアイデンティティーを取り戻す手段を教えています。
殆どの家庭において、自身の家でも二百年前に何をしていたのかを知らないようです。最低でも現在の日本を知るには幕末まで遡る必要があります。しかしながら、物質的なものから遡ることは非常に困難です。
そこで、家系の成り立ちから歴史的背景を考慮し、出身藩の歴史や当時の状況を踏まえ自分の背景について理解し、更に現状から精神分析を用いて真実の根源を追究します。
また、ある程度の社会的知識、歴史のみならず政治経済なども含め、状況把握に必要な一般的教養を身に着けていきます。発想の転換に慣れる、発想力を身に着ける
固定概念に捉われ、「~であるべき」の発想に固執し過ぎる人が多く、一切思考することも疑問を持つこともありません。
これについて、私自身が多様な見方を示します。視覚と言語から成る情報を意識に入れていくことで、これまでの固定概念を弱めていき、「~でない場合もある」という限定的解釈を行い易くします。
見たことがない、新しい、考えたこともない、等の体験を重ね、「そうでなくてもいいらしい」を体験することで、情報のみに頼っていた認知の上書きをしていきます。
また、失った発想力と好奇心を取り戻すために、ユング派の非言語療法を参考に想像力を必要とする制作活動や、新しい体験をさせています。あくまでも日常生活において可能な範囲を重視し、その場限りで終わらないよう回を重ねます。道徳性を高めることで首尾一貫性を高める
センス・オブ・コヒアランスは仏教における「道理を通す」によって、身に着けることが可能です。アメリカの心理学者、ローレンス・コールバーグは道徳性は段階を経て成長すると主張し、その段階を六段階で表した道徳性発達理論を提唱しました。彼が提唱した六段階の道徳性に心理学者ダモンとセルマンが追加した発達前(0段階)である「自己中心的判断」の段階で道徳性が止まっている人が、現代社会の大人たちにも多く確認できます。
自己中心的判断の元に動く人々は、「自分が望むものは叶えられるべきである」という発想の元に動き、その思考形態は他者とのコミュニケーションの際に大きな弊害となっています。他者のみならず自分自身をも苦しめる結果となることは、言うまでもありません。
私は幼少期より仏門の教えを実践してきたため、道理を通すことを元より得意としております。ユングが研究の末仏教に着目したように、仏教は発達にも有効な教えであり、道理を通す考え方は首尾一貫性に繋がります。
現在、世界的に注目を集めている「マインドフルネス療法」は仏教の瞑想を元にしたものであり、海外では人気を博し盛んに行われています。私自身は元々幼児期より仏教の瞑想を日々行っておりましたので、現在療法として確立されたプログラムではなく、日々自在に行う元来の瞑想方法を共に実践しながら教えております。
また、仏教においても成長には段階があり、ある段階に達する前に瞑想を多用することは逆効果になり危険だとされています。自分自身を偉大に感じ、優れた存在になれたかのような錯覚が起こりやすくなるからです。実際、国内において集団で行うセラピーの場でもそのような事例が相次いでいると確認しており、現実逃避した疑似ポジティブの人が増える結果となっています。そのため、実践は機を見て内容を十分理解した上で行うようにしております。
瞑想が心理的安定と成長のために大変役立つことは、僕自身が人生の中で続けてきたので間違いないと主張しますが、現在もハーバード大学では学生たちに瞑想のプログラムを実践させ、その効果は身体的健康にも影響することが近年確認され大変注目されています。
私は自身が続けてきた仏教の修行を活かし、自己執着から脱せない人に対して仏教の道理を説き、他者への理解につながる行動を時に共にやりつつ教えております。
また、道徳性発達段階の五段階目にあたる「規律的な良心」(法は人間の尊重のためにあり、その逆ではないと理解している段階)が欠けている人が多く、現代日本において法が重視され道徳性が排除されつつあることは大きな問題であると考えております。
法律に従うことこそ全てとし、「人間の決めた良いこと」に従わない人に対して慈悲の欠片もなくバッシングが行われています。また、教えられた「良いこと」を妄信し、強迫的に実行する人々も多く見受けられます。第一段階である「他律的道徳性」(5歳前後)における、「権威が決めたことに従うのが正しい」と思う時期の特徴です。この思考は罰を受けることを恐れ、罰を受けないために権威に従います。この時期の道徳性により社会が作られれば、権威の思うままとなる社会が作られます。それは権威に従わない人を排除する社会であり、人間を尊重したヒューマニズムによる共同体ではありません。
これらの悪循環を正すため、葛藤を乗り越え道理を通していく思考・行動を実践させていきます。過去に意味を見出し、未来に目的を持つ
人は生きる目的なしに意欲的に生きては行けません。そして自分が誰なのかを知らずに生きる目的を持つことは困難です。
家族との心理的つながりが希薄である人に対し、1.の取り組みで自分を理解し、更にそこを軸に「自分はなんのために生きるべきか」を考えていきます。自身が存在する意味、更に使命感を高める結果を期待して行います。個人的目的は存在する自分の意味に追随して発生しますので、まず「存在意義」を高めていきます。
これらの取り組みは確実に効果を上げておりますが、長期に渡るため直接指導する教室へ通い続けることができる方は限られます。
このサイトでは、遠方にいる方、また時間や費用の面からもネットの配信ならば学べるという方に対して、いつでも学べるよう上記の取り組みを行っております。
先に挙げた内容を目的とし、Refresherぷらすでは様々なアプローチにより心理的成長、メンタル面の強化を促して参ります。
Refresherぷらす 最上 雄基