生徒に説明したところ、「そんな意味だと思わなかった」と言われましたのでここにも書いておきます。
「言い訳するな」「問答無用」
こうした教育は幼児期に特に必要なものです。
徹底して行かねばならないことだからです。
子供は何も考えずに物を言いますから、言い訳をしたら「言い訳するな」と叱りつけて不平不満を言わせないように親が強制しなくてはなりません。
そしてその後、親がつきっきりでいる時期が終わり、外に出ていくようになります。
その頃からは、自己教育の始まりです。
自問自答できるようになってきた七歳頃からは、他人である友達の前では思うことをそのまま述べられなくなっていきます。
心の中だけで考えるようになります。
そこからの「言い訳」は、自分が自分の心の中でしていることを指します。
友達と会話を交わしながら
「私だって~なのに」「本当は~だったのに」
そんな風に不満を述べ始めたら
「言い訳するな」
そのように自分の心の中で自分に叱りつけます。
親子でしていた会話を、そのまま心の中でするようなものだと考えればわかりやすいでしょう。
心の中で言い訳をしない。
言い訳するなと自分を叱りつけたら、言い訳しなくても済むように行動しなくてはなりません。
心の中でも言い訳をしていれば、他人には口先で恰好のいいことを言っていても自分だけは自分が言い訳していたことを知っていますから、自分を尊敬などできません。
自分を好きになるためには、自分しか知らない自分、つまり心の中の自分を好きになればいいのです。
心の中で言い訳をしなければ、素直に言いたいことを言ってもし他人が批判をしてきても、慌てることはないのです。
「人間としてしてはいけない、それは良くないことだ」
そう思っていることを、心の中で「自分にやらせないように」注意していくのが自分の役目です。
自己教育は自分の心の面倒を見て育てることですから、誰にも知られることなく一人でやっていくものなのです。
武家の教育には、今書いたような「してはならないこと」が色々あります。
言い訳しない、人を謀らない、など、精神的な教育が色々あります。
しかし、僕が世を見る限り、言葉で伝えられていることの意味がわからないまま、心の中ではなく「形ある現実の方だ」と勘違いしている人が大多数のようです。
人に見せる部分だけ変えたところで、中身が変わらないなら成長などするわけがありません。
中身は「決まり事」に沿って成長し、形の部分はその時の立場や状況に合わせて、自分で考え必要な言葉や行動に現わしていくのです。
自分が知っている「自分」は心の中の自分ですから、その誰にも見えない自分を自分が好きになれるよう教育していくのです。
どんなにダメだと思う自分からも目をそらして見捨てることなく、言い訳でも悪口でも自分自身が全て聞いてやって、自分で教育していけばいいのです。
自分を見捨てると自分を蔑ろにし、他人を蔑ろにするようになります。
心の中で自分を見捨てることなく、教育していきましょう。