現代最高の賢人・ユヴァル・ノア・ハラリ氏 ~無料記事~

 ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、現代最高の賢人だと思います。

 賢人・と考えられる人の特徴は「平和を現実にする考え方」をしていることです。

 彼が答えたインタビューの記事は多々ありますが、考え方の根本に「誰かの幸せのために誰かが苦しまない未来」を作ろうとしていることがよくわかります。

 既に矛盾している世の中で理想的な方法ですべてを解決することは難しい、と前提した上で、それでも「今から苦しむ人が生まれる幸せ」に向かわないように考えています。

 これは、本当に平和な未来に到達するためには非常に重要な、確実に先に決めなくてはならないゴールです。

 争いを終わらせることができる人は少ないです。
 今から誰かを悪者にする努力はしても、悪者にしないための努力はしないのです。

 誰かに責任を押し付けて未来に進めば気が楽かもしれませんが、それは現実の問題や苦しみをより大きくしていきます。

 考えねばならないことは、今から誰かを自分が悪者として扱う場合、その誰かにとっては自分自身が「苦しみを生み出す存在」になってしまうということです。

 人を支配する人の発想も同じです。
 悪者を責めて反省させる、という体裁を繕いながら、結局悪者に望みを叶えさせるのです。

 悪者に望みを叶えさせて幸せになるなんてことがあるでしょうか?

 人間に罰を与えるという傲慢な思考で、人を犠牲にして生きているのです。

 例えば今、自分が何かをしてもらっている相手がいるならば、その人を悪者にはできません。
 しかし依存心が強い人は、文句を言いながら文句を言っている相手に生かしてもらいます。

 悪者にされた人が働かされる世界。それは奴隷が支配される世界です。

 感謝すべきことには感謝しない。何かしてもらっても別の問題を挙げて「してもらっていることは無視する」のです。

 「確かに~はしてもらってるけど、でもこういうところが…」

 そのようにして、いつまでもいつまでも、人の欠点や失敗を理由に何かをしてもらい続けるのです。

 平和に生きられる人は、人に感謝できます。もらいながらケチをつけて、ケチをつけながらもらい続けようとしません。

 文句を言うなら何もしてもらわない。してもらった恩を先に返す。

 それが人に感謝して生きる人の姿勢です。
 本当に人と仲良く生きていきたい人は、何かしてもらいながら誰かを恨んでいません。

 「誰も悪者にならないように、未来を作る」

 最初に「あいつのせいだ」が始まってしまうと今後どう進んでも争いにしかならないのです。
 どんなに良いと思える理想を作る方法があっても「今現在、生きている人たちが排除されないか」を考えなくてはなりません。

 世の中でよく勘違いされる「良いこと」は理屈の上で理想を語り、今からそうしようと動いてしまうことです。

 先に型を決めて理想的になろうとするのです。
 だから排除や摘発が始まるのです。

 今あるものはある、と前提して考えられるユヴァル・ノア・ハラリ氏は、間違いなく現代最高の賢人だと思います。
 非常に長い目で物事を捉え、また的確に問題を指摘しています。後に起きることの予測も確実にそうなるであろうと思える結論です。

 そもそも「悪者」なんて存在は、自分自身の感情が生み出したものです。
 それが過去の恨みから生まれているものならば、今さら誰が何をしてくれても変わることはありません。

 不幸をダシにして生きていれば誰かに何かしてもらえると下心を持つ人間は、いつまでも自分が「可哀想な人」であろうとします。
 このような人の場合は本当に苦労しているわけではなく、自分が楽するためにそのキャラクターを維持しているだけなのです。

 ただし、そんな真似をしていたら自分自身の実力は何も伸びません。
 できるだけ「ダメな人」でいればいいということになってしまいますから、その生き方ではできないことばかりの方が有利だということになってしまいます。

 他人に物乞いのように望むことをしてもらって生きる人間は、自分自身が何をすることもなく、ただもらうだけもらいながら、しかし常に誰かを恨んで嘆きながら生きていくのです。

 人として生きる道を捨てないことこそ、人としての幸せを得る方法です。
 人としての道を捨てて動物のように生きていれば、動物のように望んだものをもらって喜んでいるしかできない一生になっていくのです。