映画の紹介です。お子さんがいる方にぜひ観てほしい作品。
父と息子の物語です。
「海洋天堂」2010年
自閉症児を持つ父が、自身の僅かな余命を知り、自分が亡くなった後も我が子に幸せになってほしいと願い手を尽くします。
実際に起きている社会問題の様子も描かれています。既に大人になっている自閉症の息子には受け入れ先が見つかりません。
障害を持つ人たちが生きるために必要な場や支援が足りないのは、中国でも同じだそうです。
主演は世界的アクションスターのジェット・リー。
リーが脚本に感動し、ノーギャラ出演を申し出たという話題作です。
音楽は久石譲が担当しています。
一流スタッフが集まった作品ですが、数としては少ない文芸作品でもあり、日本では文部科学省選定作品です。
自閉症と重度の知的障害を持つ息子と父の苦労と苦悩、愛と絆が描かれています。
子供を持つ人は特に感じ入るのではないでしょうか。
この映画を観て、理想の親子なんてものに形はないとつくづく思いました。
うまくできなかったとか、理想的になれていないとか、そもそもそんなことを思うことすらおかしな話です。既に本物がもうここにあるのですから、余計なことなど考えていられません。
本物の人生は一度きりですから、すべてが本物で、自分にとっては唯一無二です。
我が子に対して「ハズレ」なんてことを言う親もいます。
親に対してもです。
自分自身が、そのようなことを思う親であったり、子であったりしたということです。
どんな風にすればいいのか、という正解などありません。
僕たちは初めて生きる人生を生きています。どうなるかわからないし、何も答えはありません。
ただそうであった、そうであるだけ。
考えすぎている人が多い現代社会では、ただ必死に生きていく親子の物語に気づくものがあるかもしれません。
号泣する人が続出の感動作ですが、親子の絆が薄れている今だからこそ余計に心揺さぶられるかもしれません。